大森曹玄氏が1983年に書いた「山岡鉄舟」という本を読んでいます。
江戸城の無血開城は山岡鉄舟なくしては成しえなかった。
剣と書の達人であり、禅に秀でていた人です。
この本の中では、西郷隆盛とのやりとりも書かれていて、すごく面白いです。
互いに敵であっても、人間として認め合っていた者同士のやりとりは、すごいカッコイイなあと思いました。
剣も書も禅も、「気」が入っていなければならないところは同じ。
剣先を「恐い」と思っているうちはダメなんだそうで、勝ち負けを超えたところ、私の勝手な理解だと“悟りの境地”に近いんでしょうが、そこへ到達していたそうです。
山岡鉄舟が気を入れれば、屋根裏のネズミもピタッと静かになったとか。
書道については、以下のように書かれています。
鉄舟の継承した入木道では、「心身ともに忘れ、おのずから天地万物、一筆に帰するの妙」がなけれが「書道を得た」とはいわないというのもそれであろう。われ在ることを忘れ、自己を完全に筆の中に没入し去って、宇宙ただ一筆に帰する 書道の妙は実にこの一点にあるといえよう。(勝)海舟が「剣、禅、書ともに其の揆一なり」といわれたのも、この点を指してのことにちがいない。
「山岡鉄舟」 大森曹玄
さて、何でこの本を手にとったかというと、大森曹玄が「呼吸」について書いた著書を、教育原理の授業で「読むべき本」として教授からいただいたリストにあり、読もうと思ったのがきっかけです。
月日はそうとう経ってしまいましたが、教育の世界に携わるようになったご縁のおかげで、今、ようやく読もうという気持ちになりました。
同じ大森曹玄が「山岡鉄舟」という本も書いていたので、読んでみたくなりました。
幕末のころの話は、アニメ「るろうに剣心」でもかっこよくて、大好きです。
山岡鉄舟は、その時代の剣の達人だというので、手に取ってみました。
「呼吸」については、自己表現やあがり症克服に携わっているうちに、どんどん深く興味がわいてきました。

きょう、母ともちをつきました。ついた、といっても機械ですが・・・。
あわただしい年の瀬ですね。