「わざ言語」

伝える

お盆。

台風も近づいているし、ご先祖さまもこちらにおいでになっているということで、実家の家の中で過ごしました。

蒸し暑くて、体を動かすと汗が出るので、ぼーっと過ごしてみました。

しかし、午後、さすがに本でも読みたいなあ、となり、近くの小さな書店に。

大きな書店と違って、店主のこだわりの陳列で、とても楽しい書店です。

購入しようと想定していた数冊の本も見当たらず、何を買おうか迷いに迷って購入した本が、「京大式 DEEP THINKIBG 最高の思考力」(川上浩司氏)でした。

これが、実に面白い本でした。

本の中に、「わざ言語」なる言葉が出てきました。

川上氏の言うところでは、「実感に訴える」言語。

以下の3つが例として出てきました。

・踊りの稽古で、師匠が舞妓さんに「舞い散る雪を拾うように肩を動かしなさい」と言う。

・弓道では、弓に矢をつがうとき、「大木を抱えるように」と。

・京大のオーケストラでバイオリンを教えるときには、「湯葉をすくうように弓をひけ」

言った人と聞いた人、お互いが了解すれば成立する言語と説明されていました。

わざ言語には、共通の経験は必要だが、受け取り手が独自に解釈する ――  つまり、考える「余地」がある。こう考えると、わざ言語を用いて思考することは、深く考えながら「自分ならではのユニークさ」を生み出す訓練といえる。

京大式 DEEP THINKIBG 最高の思考力 川上浩司

 

ヴァイオリンのレッスンで先生が、弓の引き方について、「ぞうきんをかけるように」とか、「セロテープがぴたーっと吸い付くように」とか、「宙ぶらりんなゴンドラが動くように」とか、おっしゃってくださいます。

本にあった「湯葉をすくうように」も、今度イメージしてヴァイオリン練習してみようかと思いました。

伝わるプレゼン術、などの本がよく売れています。

客観的な数値を取り入れながら、だれでも分かりやすく説明するテクニックが書かれていることが多いものです。

それとは対極的ともいえる「わざ言語」

「わざ言語」、私は大好きです。

営業会議で、「わがA社は、地上でスタスタと歩いているB社を、水中ウォーキングで追いつこうとしている状態です。」などと報告すれば、イラっとされてしまうかもしれません。

使う時と場合は考えなければならないでしょうね。

この本は、「わざ言語」というジャンルを認識させてくれた、とても興味深い本でした。

実家からの帰り、花火大会が行われていた信州新町を通りました。

とてもきれいな花火が打ちあがる時に間近で見ることができて良かったです。