東京オリンピックのマラソンと競歩のコースが札幌市に変更になったというニュース。
長野オリンピックの組織委員会に3年間出向し携わった私の経験から考えても、今からの変更に、ぞっとする思いがしました。
「組織委員会の担当者、大丈夫?」と心配になってしまいました。
私は、報道課(メディアサポートセクション)で働いていました。
大会本番は、開閉会式場の報道部長を務めました。
世界中から訪れる写真、新聞・雑誌の記者のサポートです。
IOCの決め事に沿って運営していかなければならないので、オリンピックはそれぞれの競技団体が開催する世界大会やワールドカップの比ではない準備が必要です。
プレス関係だけで考えても、例えば・・・
宿泊施設(メディア村)の運営、プレス関係者への輸送手段の提供、メインプレスセンターや各競技会場に設営されるサブプレスセンターの運営、メディア関係者へのアクレディテーション、取材エリアの確保、取材エリアが限られる場所での調整、メディアの動線、ボランティアの調整などなど・・・まだまだ山ほどあります。
報道課だけで完結するものはほとんどなく、警備、輸送、施設、ボランティアの担当者、競技団体、関係企業などとの調整が必要です。
調整ごとは、相手があることなので、どんなに徹夜しようと、先に進まないものは進まない。
組織委員会の事務所での仕事が多く、競技会場(私の場合は開閉会式場)との行き来をしながらとなります。
完全に、仕事場を担当競技会場に移すことができたのは、オリンピックが間近に迫ったころだったと思います。
では、札幌市で開催されるとなると・・・・
いくら、時代が進んだとしても、実際に現場を訪れたり、顔を突き合わせて話しをしないとならないのは同じこと。
とにかく、大変です。
IOCは「選手のため」という理由を挙げています。
では、1964年の東京オリンピックと同じ秋に開催しなかったのは誰のため?
そういえば、長野オリンピックの競技時間、開会式の時間。放映権を持つところの意向が反映されたところがありました。
それに似た事情もあるんでしょう。
でも、決まったからにはやるしかありません。今頃、「間に合うかなあ」と、心臓バクバクさせながら準備している関係者の皆様、ガンバレ!