退職を決断した大きな理由とは別に、取るに足りない小さな理由がいくつもあり、それが、コチョコチョと私をくすぐり続けました。
一つ目は、夕陽が見たいでした。(10日のブログ)
二つ目は、
漬物をつけられる人間になりたいです。
私よりずっと若い頃には、母は既に、ウメ、ウリ、野沢菜、たくあん、などなど、おいしく漬けられる腕前でした。
私は・・・というと、まったくダメです。
野沢菜は挑戦したこともありましたが、母のように美味しく漬けられませんでした。
母が元気でいてくれるうちに教わりたい、と思ったのです。
きょうは、母が畑で育てたダイコンを、たくあん漬けにするお手伝いをしました。
ダイコンは、母が洗って3日くらい干しておいてくれました。
私がやったことと言えば、ダイコンの頭とお尻を、包丁で切って整えたくらいです。
それでも、冬の日差しが差し込む中での母との作業は、とてもとても、ありがたいものでした。
その前に、たくあん漬けに使う、乾燥したナスの葉を買い求めに安曇野へ出かけました。
今年は、家のナスの出来があまり良くなかったので、葉っぱを捨ててしまったためです。
立ち寄った池田町の北アルプス展望美術館から見た有明山(標高2268メートル)です。
ここからは、きれいに安曇野の風景と北アルプスがよく望めます。
左には雪で白い大天井岳(標高2922メートル)
右奥の白い山は燕岳(標高2763メートル)
ナスの葉の干したのは、田舎に行くほど、自分の家で調達するためか、店頭になく、明科で買い求めました。
「来年は、ナスの葉をちゃんと取っておこう!生きてたらね。」と笑う高齢の母。
“生きてたら”は、年齢に関係なく、誰にも同じことが言える・・・と心でつぶやきました。
退職したおかげで、母との時間ができました。
この時をまていに過ごしたい、と思い、漬物桶に向かって「おいしく漬かれ~」と声を掛けました。