「なんで笑顔が大切なの?」

あがり症

私の「伝える」授業では、笑顔の練習をすることがあります。

ほとんどの学生の悩み「あがり症」を克服するために、学生がクラスの前で話しをする時、胸を張って笑顔でクラスを見渡す時間を作っています。

笑顔のつもりでも、表情筋が硬くて、笑顔が出せない学生もいます。(お笑いの又吉直樹さんが、ご自身のエッセーの中で、「思いっきり笑ったつもりなのに、笑っていなかった」といった内容を書いていらっしゃいました。それを読んで、表情筋が上手く動かない方もいるのだなと分かりました。)

そこで、「30秒間、上の歯を見せて笑顔をキープしましょう!」と、笑顔の練習をします。

約40人の学生が、笑顔で、一斉に教壇の私の方に向いているのです。超ハッピーな時間です。

笑顔が苦手な学生も、一生懸命、笑顔をキープしています。

 

ある時、ある学生から「笑顔が何で必要かわからない」と感想がありました。

そこが納得できなければ、前に進めませんよね。

 

あがり症の人が人前で話すとき、笑顔になると、聞く人も笑顔になります。ミラー効果です。

聞く人が腕組みして苦虫をつぶしたような顔をしていれば、緊張しますよね。

でも、笑顔の聴衆を見ると、安心感が出ます。

そんな効果もあるにはあるのですが・・・・

 

私が最も伝えたい笑顔の大切さは、長野県塩尻市にある曹洞宗無量寺の尼僧、青山俊董(あおやま しゅんどう)さんの著書にあった言葉です。

何冊かの本に「笑顔」について書かれていますが、「あなたならやれる 禅のまなざし」(海竜社)の中にこう書かれていました。

「くやしいとき、腹が立つとき、そこで目尻をつりあげて怒りわめくか、一呼吸おいて腹をすえてニコッとするかで、そこに開ける世界はまったくちがったものとなる。(中略)ニコッと転ずれば、ニコッからは明るい世界が広がってゆく。」

「いろいろある人生の今ここを、気ままなわたしの思いで引っぱってゆくか、仏に、つまり願わしい方向へひっぱられてゆくかで、そこに開かれてゆく世界はまったく反対となる。」

 

”気ままな私の思い”のお言葉には、思い当たることばかりです。

「いやだな」「つまらない」そんな表情を浮かべていれば、そちらに未来が引っ張られていきます。未来といっても、今が過ぎた次の瞬間ですね。

ニコッとするだけで、方向が全く反対の良い方向に向いていきます。

 

「朝、鏡の前で笑顔の練習をするといいですよ」と、学生に伝えています。そう言いながら、私はというと、またまた、あわただしく鏡の前でニコッとするのを忘れてしまいます。“まていに”生きようと目標をたてたのに・・・。反省

 

ある朝、表情があまり変わらない学生(表情筋が弱いのが原因です)が、素敵な笑顔で「おはようございます」と、挨拶をしてくれました。「毎朝、笑顔の練習をしていたんだ!」と、私は確信しました。その日は、その表情を思い出すだけで、もう、嬉しくて嬉しくて。

 

未来への方向が、今の今、1度変わるだけで、若い学生の将来は大きく変わります。

あすも、笑顔に会えるのが楽しみです。