素敵な美しい女性と出会いました。
きょう夕方、暗くなり寒さが厳しくなった時間、長野駅へ向かう歩道橋でのことです。
私が歩道橋を上ろうとする目の前に、腰が90度に曲がった小さいおばあちゃんがいました。
背中には重たそうなリュックサック。髪は白髪です。
「歩道橋の階段を上るのかな?大変そう。手伝ったほうがいいかな?」
と、思いながらも、私は追い越してしまいました。
私が階段を10段ほど上ったとき、ちらっと振り向くと、おばあちゃんは、手袋をはめようとしています。
これから上ろうとする階段の手すりを持つ手が冷たいと思ったのでしょう。
「やっぱりこの階段を上るんだ。エレベーターのある場所へ案内しなきゃ。」
と、思った瞬間・・・。
おばあちゃんの後ろから来た若い女性が声をかけて、一緒に上り始めました。
ああ、私が躊躇した手助けを、その女性はサラリとやっていました。
自分が恥ずかしくなりました。
私は階段を駆け下りて、おばあちゃんと女性のもとへ行きました。
「エレベーターのある場所をご案内しましょうか?」と、遅ればせながら声をかけました。
でも、おばあちゃんは「ここまで来たから階段を上がります。」とのこと。
声をかけた若い女性は、それはそれは、かわいい18歳から20歳くらいで、とてもセンスのいいオシャレな服を着ていました。
おばあちゃんは、手で体を支えないと、後ろ側へ転がり落ちるほどお尻が上がりません。
若い女性は、「ここから、私がご案内しますから」と、私に言ってくれましたが、私は、なんだか一緒に階段を上りたくなって、おばあちゃんのリュックを手で支えて、3人で上まで一緒に行きました。
階段を上り切ったとき、おばあちゃんは「幸せです」とお礼をおっしゃってくれました。
別れ際に、私が若い女性に「学生さんですか?お優しいのですね!」と話しかけると、「こう見えても社会人です。」と笑顔で答えてくれました。
この話を、家で夫にすると、核心をついた返事が返ってきたのです。
「車に乗っていて、危ないと思った時、考えずにブレーキを踏むだろう?それと同じなんだよ。(私のように)頭で考えてやるんじゃないんだよ。自然に声をかけるのが本当なんだよ。その女の子は自然にやれる優しい人なんだよ。」
そうです。
本当にそうです。
声をかけるか躊躇してしまった自分が恥ずかしく思いました。
私は、女性から教えてもらいました。
そして、おばあちゃんが「幸せです」と言ってくれた言葉も、あとでかみしめました。
おばあちゃんの背負ったリュックの中身は、買った野菜だったそうで、重かったです。
寒い日でも、腰を折りながら、階段を上り、自分で買い物に出かける不便さを嘆かず、「幸せです」と自然に出た言葉。
ああ、なんて自分は未熟なんだろう。
そして、世の中には、なんて素敵な人がいるんだろう。
その前にも反省することが・・・
実は、長野駅に着く前に、松本で乗った路線バスでも、ちょっと反省することがあったのです。
私が乗った路線バスが停留所に停まると、白状を持った男性が乗り込んできました。
駆け寄ろうかと、私はお尻を浮かせながら、迷ってしまいました。
その時の私の頭の中のつぶやきです。
「路線バスに乗るくらいだから、普段からこのバスを利用している方だろう。おせっかいになっちゃうかな」と。
男性は、私の後ろの座席に、手探りで近づき座りました。
両手に力を入れて、私の座席の背もたれをしっかり握って、緊張した様子で乗っていました。
声をかければよかった。
男性は私と同じ松本駅の終点まで来たので、今度は声を掛けて一緒に降りました。
そこから、またまた反省することが・・・。
私と同じバスターミナルまで行くというので、ご一緒させていただきました。
ご案内させていただいたのですが、私の腕や肩をつかんでくださらないのが不思議でした。なんでだろう?
後で気づきました。
私から「腕か肩に触ってください」と声を掛けなかったのがいけなかった!体に触れるのが失礼だと遠慮されたのでしょう。
ああ、そうだったのか。
本当に、きょうは勉強させていただきました。
でもでも、素敵な出会いがあり、幸せいっぱいな一日でした。
ありがとうございました。