高山村、太陽が傾いてきた午後、得も言われぬ美しい景色を見せてくれていました。

リンゴも収穫がすすんでいます。
きょう、私が全幅の信頼を寄せている医師から、改めてその意味深さに感動する素敵な言葉を伺いました。
「節度ある医療」
医療も、やればやるほど患者さんが幸せになるのかというと、必ずしもそうとは言えず、時として、患者さんを苦しめる場合もあります。
「節度ある医療」という言葉は、人間の尊厳にもかかわる奥深いものがあると感じました。
「節度」は、「節度をわきまえる」「節度ある振る舞い」などで使われます。
「節度ある医療」というフレーズに出会ったのは初めてのような気がします。
以前、栃木県にある日本最古の学校「足利学校」を訪れた時、「中庸」を視覚的に示すために、水を入れすぎても少な過ぎても、水がこぼれてしまう器があったのを思い出しました。
「宥座の器(ゆうざのき)」です。
改めて、足利市のホームページでその教えを再確認してみました。
「宥座(ゆうざ)」とは、常に身近に置いて戒めとするという意味で、孔子の説いた「中庸」ということを教えるものです。
足利市のホームページより
壺状の器に水が入っておらず空の時は傾き、ちょうど良いときはまっすぐに立ち、水をいっぱいに入れるとひっくり返ってこぼれてしまいます。
孔子は、「いっぱいに満ちて覆らないものは無い。」と慢心や無理を戒めました。
製作者の針生清司さん(館林市在住)は鍛金の伝統技法の伝承に努め、平成11年に国の「現代の名工」に選ばれています。
「節度ある医療」の言葉に、「中庸」を思い出し、美しさを感じました。