上田駅のホームで列車を待つ
枕木の下に敷かれた砂利
建築家の隈研吾氏は、著書「点・線・面」の中で、この砂利についてこう述べています
大地という自然と、車体に乗っている人間との間に、様々な点と線とが介在し、その二つをスムーズに、そして階層的につなげている。(中略)
民主主義的な建築があるとしたならば、線路の砂利のようなものではないかと、僕は考える。あのように自由で、あのようにしなやかなものあである。
P102~P103
細かすぎず、大きすぎない砂利の大きさ
それぞれの砂利が自由に動き、自由にずれる
そんな視点で線路に敷かれた砂利を考えたこともなかっただけに、隈研吾氏の思索の深さに驚きを感じます。
そして「民主主義的な建築」という言葉にひきつけられました。
ホームに列車が到着し、夕日が差し込む席で景色をぼーっと眺めていました。
枕木の上を通過する時のコトンコトンという音と揺れを感じながら乗っていたら、ウトウトと眠ってしまいました。
「民主主義的な建築」のおかげで、心地よい帰路となりました。