私の大好きな映画のひとつに、ルトガー・ハウワー主演の「聖なる酔っ払いの伝説」があります。
がぶ飲みグラスでワインを飲むシーンが出てきます。
「パンとワインがあれば生きていける」、「これぞ生きること」、といった、様々なものをそぎ落とした根源的なものを感じるんです。
ストーリーの展開は、まるで、おとぎ話を聞いているような心地よさがあります。
そこに、ルトガー・ハウワーの演技が渋くて素敵です。
岩本光弘さんの「見えないからこそ見えた光」(ユサブル)の本を読んでいて、「聖なる酔っ払いの伝説」を観た時と同じ感覚になる実話が書かれていました。
出会った人は、神様が遣わしたものなのか、と思えてしまうところが、同じ感覚になったところです。
岩本さんは16歳で、視力を失いました。
アメリカでの生活で、バスに乗るためにバス停に行くとホームレスの男性が声を掛けてきたそうです。
「ベンチか?そこから2歩進んでこちらを向いて座れ。そこにベンチがあるから」
そう言われた岩本さんは、その通りに座ったそうです。
すると彼は、「お前は俺を信じたんだな」と。
自分を信じて行動した岩本さんに驚き、人に裏切られてホームレスに転落した人生を語り始めたそうです。
目が見えない岩本さんが、「100ドルだと言って1ドル札を出されてもわからい。信じることでしか生きていけないんだ。」と語ると、ホームレスの男性は泣き出したそうです。
やりとりも本には書かれていますが、是非、本を読んでほしいと思います。
それからは、バス停でそのホームレスを見かけることはなかったそうです。
今夜、ワインを飲みながら、この本のこと、「聖なる酔っ払いの伝説」を思い出しました。
素晴らしい本ですから、是非、手にとってください。
生きる勇気をもらえます。
映画も是非ご覧ください。ワインが飲みたくなるのは必至です。