私は、アナウンスの勉強もしないで、局アナになってしまったので、それはそれは、最初はひどいしゃべりでした。
先輩方は、さぞ、「えらい人を採用してしまった」と思ったことでしょう。
そんな私が、ある日を境に変わりました。
「急にうまくなったじゃないか!」と驚かれたのを覚えています。
あまりの下手さに、自分でも情けなくなり、私は、録音室(防音の部屋)にこもって、一日中、録音した私のしゃべりを聴いては、直し、聴いては直しをやったのです。
頭の中には、まねしたいアナウンサーのイメージがありました。
たった、それだけのことです。
小泉進次郎衆議院議員が、2016年11月のグロービス経営大学院 東京校でおこなった「言葉に体温と体重を乗せる」といったテーマでのスピーチでも、録音した自分のしゃべりを聴くことが、いかに有効かを語っています。
小泉議員も、自分の演説を録音して聴いたそうです。
こう話していました。
自分のことを直視することです。(中略)是非、言葉や自分の想いをどうやって周りに伝えるのかということで悩んだり、どうすればよりよくなるのかと思ってる人がいたら、自分の話しを録ってみる。そして、自分が話してる姿を映像でも録ってみる。
私の話し方の授業でも、学生たちはスマホで自分のスピーチや朗読を録画して、確認しています。
最初は、とても、いやがる学生もいました。
でも、言葉尻があがる癖がなおってきたりと、効果テキメンです。
また、あがり症克服協会でも、スマホで録画をして確認しています。
自分が思っているほど、あがって見えていのがわかります。
自分の授業風景も録画してチェックしました。
指示が丁寧でなかった点など、改善点が見えてきました。
自分を直視すること。
逃げたくなるのですが、直視したあとは、改善あるのみと、未来志向になります。
あすは、私にとって今年度最後の授業です。
学生たちが、どんなスピーチをするのか、楽しみです。