入居順番待ちの社会

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90歳を超えた叔母を「助けられない」と入院先のドクターから告げられました。

独り者の叔母にとって、私が一番近くに住む親族なのです。

「ドクターからお話しがある」というので、てっきり、退院の打ち合わせだと思って出かけた私にとって、全く想像していなかった厳しい内容。

つまりは、叔母は最期を迎えようとしている、というのです。

説明を受け、部屋を出たところ、同席していたスタッフが追いかけてきて、私に声をかけました。

「叔母様が暮らしていた施設のお荷物を片付ける場所はありますか?」

何を言われたのかわからず、私がぽかーんとしていると、

「入院費と老人ホームの入居費の二重払いでご負担でしょうから施設を明け渡した方がいいかと・・・次に入居をお待ちの方もいらっしゃるので・・・もちろん、そのままでもいいですよ。」と。

真意がくみ取れず、「看取りの段階」ということを、私にはっきりとわからせようとするためなのか、とも思いました。

動転していた私は、「お気遣いありがとうございます。」と言うのが精一杯でした。

  

その日の叔母は「何とか生きてみるわ」と、私に言ってくれました。

こうして生き様を教えてくれている叔母。

一方では、「死ぬ人」を待っている順番待ちがあり、ここまで事務的な言葉が投げかけられる現実。

  

叔母が元気になって施設に帰れると信じています。