御嶽山

まていに

御嶽山の麓まで行ってきました。

標高3067メートルの御嶽山は、雲に隠れることが多いのですが、きょうはくっきりと見えました。

白いのは噴煙でしょうか。

 

御嶽山というと、胸が痛みます。

2014年9月27日。

死者58人、行方不明者5人という戦後最悪の噴火災害です。

その日は休日で、私は一人で報道デスクでした。

思い出すのもつらいのですが、次々と飛び込んでくる、想像を超えた報告。

やはり、思い出すのがつらい・・・。

 

翌日以降、私は、送られてくる映像をチェックしたり、県庁の対策本部で取材をしたりしていました。

捜索活動の様子が、現場から送られてきます。

写真の位置から、カメラのレンズを通すと、捜索活動で山を登る、消防、自衛隊、警察の方々の勇姿が見えるのです。

隊ごとに少し進んでは、火山性の有毒ガスが検知されると、身をかがめて待機。

また進む・・・。

どうぞご無事でと、祈らずにはいられませんでした。

一日の捜索を終えて、両脇を別の隊員に抱えられながら下山してきた若い隊員。

足元を見ると、はだしです。山頂付近は真冬並みの寒さです。

火山の泥に足を取られる過酷な現場の様子が伝わってきました。

 

捜索隊の方々の、「山頂に雪が積もる前に全員を見つけ出す」という強い信念に心を打たれました。

冬になり捜索が打ち切りになった時、本当に悔しい表情を浮かべていらしたのです。

 

現在教えている専門学校で、消防、警察、自衛隊など、人を助ける仕事を目指す学生に、その時の崇高な姿を話したこともあります。

今は公務員試験の合格発表が相次ぎ、その道に進むことが決まった学生も、希望に胸を膨らませて、残り少ない学生生活を過ごしています。

元気いっぱいの20歳前後の学生たちです。

彼ら彼女らに平穏な日が永遠に続きますように、心の底から願って止みません。