玉ねぎの切り方が伝わらない

言葉

朝、夫に駅まで送ってもらった時の車内での会話。

「今晩はビーフシチューだね」と夫。

「私、早く帰るから煮込んでおくね。ところで、この前(夫が)作ってくれたビーフシチュー美味しかったけど、玉ねぎはどうやって切ってくれたっけ?」と、私が尋ねると・・・

「大きく4つくらいに切ったよ」

「くし型に4つ?」

「くし型って言うのかわかんないけど、こうやって、こう」

ここから、笑っちゃうヘンテコな会話が続くことになったのです。

 

夫の「こうやって、こう」の包丁の手真似は、最初は縦、次はそれを横切るように横向き。

「これでは十字に切ることになるから、くし型にならないんじゃないの?」

「いやいや、玉ねぎはそのままだよ。だから、長さは長いまんまだよ」

「えええ?わかんない!玉ねぎの向きはそのままだよね。

半分に切って、パコってまな板に玉ねぎを置くじゃない。

だから、同じ包丁の向きになるはずなのに、なんで包丁の向きを横にするの」

「いやいや、だから玉ねぎはそのままだから」

「でも、包丁を横にすると、玉ねぎの縦の長さは半分になっちゃうでしょ」

「ならないさあ、玉ねぎはそのままだから、長いままになるだろ!」

このやりとりが、私が車を降りる直前まで続いてしまい、お互いに伝わらないことに笑い出してしまいました。

 

同じことを言っていたんです。

皆さんはお分かりになりましたか?

夫は玉ねぎを立てたまま4つ割りにし、真上から見ていた。

私は玉ねぎを寝かせて切っていた。

 

「相手に伝わるように話す」とは、授業でも学生と一緒に学んでいるはずが・・・

驚くほどの伝達力のなさ。

そもそも、玉ねぎを立てた状態で4等分するという発想が私自身に欠けていたために、私の思い込みからズレが生じてしまった。

この話を、インテリア住環境コースの学生に、授業でお話ししたところ「最初が肝心です」と、学生からコメントをもらいました。

さすが、インテリア住環境コースの学生!

家の建築も最初が肝心ですね。

そうよね!

最初にズレてしまうと、とことんズレてしまうね。

  

そして、何より、玉ねぎの最初の置き方から、人によって違うということを心得ることが大切。

みんな同じに決まっている、という私の勝手な思い込みが、最初のズレを疑うことすらしませんでした。

電車に乗る前に、互いの言っていることが分かり、スッキリとしました。

 

そして、その日の夜、しっかり煮込んだビーフシチュー。

玉ねぎは、形もなく煮溶けていました。

結局、どうやって切っても一緒だったというオチでした。