70年前の長生きのコツ

伝える

中村天風に興味を持ち、図書館で中村天風の「錬身抄」を借りてきて読みました。

呼吸法が知りたかったのです。

あがり症克服や、アナウンサーの発声では、腹式呼吸を取り入れています。

中村天風の提唱する呼吸法は、それとは異なるようです。

どちらかというと、今、ダイエットに効果があるとして注目されている美木良介さんの提唱する呼吸法に近いようです。

 

さて、その本の中に「若返りの要訣」という章がありました。

昭和24年(1949年)に書かれた本ならではの、興味深い一文がありました。

何人とも雖(いえど)も生をこの世に享(う)けた人間は、極端な惰性家が、さもなくんばいわゆるニヒリストでない限りは、だれしもが長生きをしたいと欲するのは当然である。

 が、しかし事実に徴すると、わが国では何と七十歳を超えるものは千人中僅(わず)かその一割五分内外であるという現実である。

P263

70年前の当時は、70歳を超える人が15パーセントもいなかったんですね!

そして、中村天風は、長生きのコツをこう言っています。

 特に一番老衰を早めることは生気を失うことである。いわゆる年寄りじみたもののいいようや動作をでき得る限り為さぬように注意することである。

 言い換えれば溌剌(はつらつ)とした気分で、ものいう時の如(ごと)きも丹田の力で、できるだけ勢いのある音声を発するようにし、起居もまた同様活発にすることである。

P274

 

丹田を意識して発声する練習は、私の授業で毎回やっています。

丹田の発声の重要性は、今も昔も変わらないんですね。