小さな失敗談

あがり症

他人の自慢話は面白くないものです。

一番最初の授業で、私は自己紹介をします。

私の恥ずかしい「あがり体験」をお話しすると、とても興味深く聴いてくれます。

失敗談や上手くいかなかった話は興味をひくようです。

 

演出家の鴻上尚史さんが、著書「リラックスのレッスン」の中で「目的と障害」という言葉で、スピーチのコツを書いていました。

何かをしようと思ってやったところが、上手くいかなかった。

そこに葛藤するその人が見えてくる、と。

 

冬休み明けのクラスで、「冬休み」についてスピーチをしてもらいました。

「失敗したこと、思うようにいかなかったことなどを盛り込むように」と、注文を出しました。

すると、次々と引き込まれる「冬休み」のスピーチが続きました。

差し伸べられた人のやさしさや、自分自身の心の動きが表現されていました。

ちなみに、去年までは、何も注文を出さずに「冬休み」のスピーチをしてもらっていました。

「〇〇へ行きました。楽しかったです。」と、稚拙なスピーチになりがちでした。

「気持ちを表現しよう」と指導しても、表現するのは難しいのですが、「小さな失敗や、思うようにいかなかったことを盛り込もう」と伝えると、自然と感情が言葉豊かに表現されることを、私自身が勉強しました。