音訳のボランティアに行ってきました。
視覚障がい者に向けて、文字情報をお読みすることを「音訳」と言います。
音訳を始めたころ、「色」の情報を伝えていいものか、と迷ったことがありました。
生まれながらにして全盲の方に、色の情報を伝えるのは失礼にあたるのではないか、と不安になったのです。
かと言って、伝えないのは「配慮」という言葉でごまかしたエゴ。
何よりも、そんなことを考えてしまう自分が、“目が見える方よりも上”と思いあがっているようで嫌でした。
そこで、大先輩に聞いてみました。
すると、「ちゃんと伝えてください。赤なら赤の、青なら青のイメージを持っていらっしゃる」と、教えてくださいました。
それを聞いてから、迷いがなくなり、絵本やカラー写真などの説明では、色もきちんとお伝えしようと心掛けています。
きょうは、俳句をお読みしました。
秋の季語「落鮎」にまつわる俳句です。
満天の星を「星曼荼羅」と表現した句もありました。
目の不自由な方は、満天の星を、澄んだ心で見ることができる。
澄んだ心で見る星空は、「曼荼羅」になることでしょう。