まさか私が絵を描くとは

まていに

日本画教室に通い始めて2年半。

絵がとにかく苦手・・・

そんな私が日本画教室に通っているんですから、自分でも驚いています

 

 

兎に角、小学生の頃から絵を描くことが苦手でした。

苦手で下手、と自覚し始めたのは、小学生低学年の授業。クラス全員から打ちのめされるような評価をもらったことからです。

先生が読んでくれた本の内容を絵にするという授業でした。

ゾウを撃ち殺した悪い人間を、ゾウが群れをつくって果敢に向かっていって、やっつけた、というものでした。

私は、銃を構えた人間を画用紙の左か右に書いて、そこに向かって、ゾウを無数に描いて画用紙を埋めました。

大群が人間に向かう様子を想像しながら、一生懸命描きました。

我ながらよく描けたと思ったのですが・・・

先生が私の絵を掲げてクラスに見せて・・・

「この容子さんの絵をどう思いますか?」と意見を求めました。

クラスからは、こんな意見が、やんややんやと寄せられました。

「ゾウがみんな同じ大きさで、良くないと思います」

「ゾウの表情がみんな同じで、良くないと思います」

「みんなおんなじだから、これを描きたいっていうものがわかりません!」

先生も「そうですね、そこが良くないですね」と。

ガーン

すごく、いいと思って描いたのにぃ

 

それから、絵は大嫌い。

中学に入って、松尾先生という美術の先生に出会い、少し美術が好きになりました。

「デッサンの線を怖がらずグイグイと描いていこう!画用紙からはみ出してもいいよ」とおっしゃってくださったのです。

思う存分、力強いタッチでデッサンしました。

そして、先生は、私のデッサンをほめてくださいました。

私、絵が好きかも

と、思ったのもつかの間・・・・

 

年度が変わり、新しい美術の先生が来ました。

「画用紙からはみ出して描くなんてダメじゃないか!」とクラスの仲間が次々と怒られていきました。

絵具も3色以上混ぜると怒られ・・・

宿題が出るんです。毎回、色を付けた絵を描いて提出。

家でやっつけ仕事に、絵具をベタベタと塗って間に合わせて

またもや、絵が嫌いに戻ってしまいました。

 

高校では、もちろん、美術と音楽の教科選択は、美術はイヤという消極的な選択によって「音楽」

 

そんな私が、日本画を始めるとは自分でも信じられません。

楽しい!!

日本画を習っていた母のおかげです。

高齢の母が、絵の道具を抱えてバスで通うのは大変だろう、と私が車で送り迎えすることにしました。

母の絵の教室が終わるのをぼーっと待つならば、一緒に絵を習ってみようかと思ったのです。

ということで、今、母とはクラスメイト。

まさか、私が絵を描くのが楽しくなるとは・・・

わからないものですね

写真は、きのうの日本画教室で撮りました。

左にあるのは小下図

日本画は小下図が大事なんですって

描いているのは、ずっとずっと見てきたテレビ信州を一歩出たところの夕方の景色です。

夕日を見ることがまずなかった仕事だっただけに、今は夕方が大好きです。

ずっと見てきたケヤキがこんなに立派に空に向かって枝をいっぱい広げていたとは。

ケヤキを描きながら、ケヤキと対話する。

絵を描かなければ、感じることが少ないだろう自然との対話があります。

まだ、まだ完成とまでいきませんが、楽しみです