フランスの19歳のハイジさんが、マクロン大統領にあてた手紙が、反響を呼んでいます。
私も読みました。
美しい書き出しです。
辻仁成さんの翻訳から、その美しい言葉を少し書き写してみます。
私は今、19歳。自分が死んでいるような気がしています。
でも、今日のストラスブールは雪が降っていて、きれいな雪のカケラが空を舞っています。
私はそれを暖かいアパートの中から見ているのですが、なんの感情も湧いてきません。
雪は、茶色い髪に白いドレスを纏わせたり、子供たちの舌の上に落ちたり、不意に通行人のコートに投げつけられたりする時、私たちを魅了します。私はその光景を懐かしみ、微笑むのですが、ただ、私には外に出かける理由がないのです。
私は勉強をしなければならない。家で、勉強だけしていればいいんですよね?
それが今、私に与えれる全て。ただ一つ私に許されたアクティビティなのです。
私は19歳で、私が授業を受ける部屋は私の部屋でもあります。
私が憩う場所であり、電話をしたり、映画を見たり、時には料理をしたりする場所でもあるのです。
学校も、プライベートも、全てが私の頭の中で一緒くたになっています。
大講堂で1日を過ごし、疲れて家に帰りくつろぐ生活はもはやあり得ない。
授業は私の部屋でのみ行われ、私の部屋は授業のためのものとなっています。
・・・(続く)
空から降る雪について、ああ、何と美しく切なく心を打つ表現なのでしょう
そして、フランスのマクロン大統領が、ハイジさんの手紙に返事を送っています。
長い手紙の中で、心に刺さる言葉がありました。
こちらも辻仁成さんの翻訳から、その部分を書き出してみます。
(前略)・・・
だから、もし私があなたの怒りを理解しているならば、親愛なるハイジ、あなたが「もう、うんざりだ」と限界を感じている連帯に対し、私はあともう少しの努力をお願いしたい。あと数週間。昨年3月以降、あなたの世代が成し遂げた、我々が尊敬すべき勇気や努力を示すために、もう少ししがみついてください。この危機が始まって以来、私たちが一丸となって守ってきたことは、人間の命です。はっきりと言えることは命より大切なものはないということ。命と数字は比較できないと言うことです。守るのです。
「守るのです」
そう、守るのです。
心に響く言葉。
誰かのためなら頑張れる
フランスのハイジさんと同じ年齢のウエジョビの学生たちを見ていても、我慢を強いられていて、可愛そうに思うことがあります。
ハイジさんの手紙を読んで、もっとわかってあげられる優しさを持ちたいと思いましたし、それに対して、どんな言葉をかけてあげればいいのか、考えさせられました。