今月発売されたばかりのケイト・マーフィの「LISTEN」(篠田真貴子さん監訳)」を読みました。
私の自己表現の授業では、伝える力を育むために、まず「聴く」ことを大切にしています。
そんな私が「聴く」ことができているかというと、できてません!!!
ある大学生との対話セッション。
とても楽しい対話の時間でしたが・・・・
後日、大学生の感想に「リアクションを抑えてほしい。ちょっと過度すぎる。逆に伝わっていないように感じる」と書かれていました。
これは反省です。
正直な感想を伝えてくださったおかげで気づくことができました。
ありがたいことです。
この本を読んでいて、良い「聴く」ができているときの思考の持ち方が、「腹式呼吸」などで精神統一をしているときの思考の持ち方と似ているなあと、感じました。
深い呼吸で精神統一。
それでも、「お腹すいた」とか「暑い」とか、いろいろな考えが頭に浮かんでくるものです。
それでも、それを払いのけて、再び呼吸に集中。
それでいいのだそうです。
「聴く」も同じだそうです。
「思考」の方が「話」よりも早いので、相手の言葉に耳を傾けながらも、様々なことが頭に浮かんできます。
聞くということを瞑想のようにとらえると良いようです。自分の注意が散漫になっていることに気付き、それを認め、再び意識を集中させるのです。(P167)
気が散る最大の原因は、「次にどんな気のきいたことを言おうかな」とか、もし言い争いの場なら「次にどんな破壊力のあることを言ってやろうか」といった、次に何を話そうかと考えることです。(P163)
LISTEN
聴くスキルを磨いた生徒の方が、より説得力のあるディベートができるといったことも紹介されていました。
私は人見知りですが、幸いにも人のお話を聴くのが好きです。
Zoomで複数人と会議をする時など、テンポよくリアクションをとっていく参加者の中にあって、私はどうもワンテンポ遅く、終わってみると発する言葉が他の人よりも少ないことが多々あります。
相手の話に引き込まれてしまって、自分の意見を述べることをつい忘れてしまうのです。
オーストリア人精神分析学者のテオドール・ライクは、1948年の著書「Listening with the Third Ear」の中で、よく聞くとは、自分の無意識からわきあがってくる感情に気付くことである、と書いています。(P270)
LISTEN
聴く側が、無意識からわきあがってくる感情に気付くことができるって、何て素敵なことでしょう。
そんな感情から出る素直な言葉が言えるようになりたいな、と思います。
上田情報ビジネス専門学校(ウエジョビ)の学生たちは、就職に向けた面接試験が控えています。
日々、良い習慣を身につけるべく学校生活を過ごしています。
ここで学ぶ良い習慣は、仲間がいてこそ学べるものです。
良い習慣が土壌だとすると、わきあがる感情はそこから芽生えたみずみずしい新芽。
聴くこと、伝えることの根本を学べる良書「LISTN」、オススメします。
ちなみに、監訳者の篠田真貴子さんはエール株式会社の取締役で、私もサポーターとしてお仲間に入れてもらっています。1 on 1 を通じて、組織改革を進める企業を支援しています。