小学生の頃、国語の教科書に「きつね色で香ばしい香りがしました」といった文章が出てきました。
教育実習の先生の授業の時でした。
「きつね色」はみんな理解できました。
クラスの誰かが質問しました。
「香ばしい香りってどんな匂いですか?」って。
次の日、教生の先生はコーヒー豆をわざわざ持ってきてくれて「こういう香りが“香ばしい”っていうのよ」と、みんなに匂いをかがせてくれました。
教科書の文脈から私が感じた香りとちょっと違うなあ、って思ったことを覚えています。
それと同時に、わざわざコーヒー豆を持ってきて、私たちに説明しようと頑張ってくれた教生の先生のひたむきさが伝わってきて、今でも脳裏に焼き付いています。
香りの表現は難しい。
ワインに至っては、「なめし皮の香り」や「干し草の香り」、挙句の果てには「キツネの匂い」と驚く表現も出てきます。
先日購入した宮田村産のヤマソービニオンのワイン「紫輝」は、抜栓して1日たって飲んでみたら、「あれあれ?この香り何だっけ、何だっけ・・・」となりました。
嗅いだことがある香り。
「思い出せない・・・悔しい!」
「何だっけ、この香り・・・」
やっとわかりました。
・・・・
「焼き芋!」
私の舌がおかしいのか、一緒に食べたものとのマリアージュでそう感じたのか・・・
ちなみに、ワインと一緒に食べたものは「イカと里芋の煮物」でした。