早口言葉より難しいこと

伝える

私がアナウンサーだった、と伝えると、「早口言葉ができるんですね」と言われることが多いです。

でも、私は早口言葉が苦手です。

 

しかし、早口言葉より、もっと難しいことは「ゆっくりと語ること」です。

ゆっくり読んでも、棒読みにならないようにできるかが、腕の見せ所。

棒読みになりそうな時、速いスピードで読むとごまかしがきいちゃうんです。

 

戦場カメラマンの渡部陽一さんは、とってもゆっくりとした話し方が特徴です。

自己表現の授業でも、そのモノマネをしてくれた学生がいました(笑)

テレビ信州のローカル番組で、渡部陽一さんにナレーションをお願いしたことがありました。

驚きました!

素晴らしいナレーションでした。

声も声の表情も、ゆったりと抒情的。

「ゆっくりしゃべり」の印象が強すぎるので、ナレーターとして起用されていないのかもしれませんが、ナレーションの語りは、「えっ?誰の声?」と、別人のようです。

その素晴らしさを知ってしまえば、絶対にナレーターとして起用したくなると思います。

 

幼なじみの秀才、M君は、早口でした。

先生に「もっと、ゆっくりしゃべりなさい!」って何度も何度も注意されても、なおりませんでした。

先生が横について、先生のあとについて、同じようにしゃべりなさい、と言われても、言葉がどんどん走っていってしまっていました。

お勉強も、スポーツも、音楽も、何でも秀でていただけに、なんでできないのか不思議でなりませんでした。

 

ゆっくり話すことの方が、よっぽど難しい。

早口の人は、これまで何度「ゆっくり話なさい!」と言われてきたことか・・・。

それができれば、苦労はないですよね。

今まで、言われ続けてきてホトホト疲れた~という人も多いと思います。

発音、発声は、きちんと練習しないと思うようできません。

「一音一拍」のリズムにのって、発音練習を楽しくやっています。

もしかして、渡部陽一さんのモノマネも取り入れてみると効果があるかも⁉

モノマネを授業でやってみようかな、なんて真面目に考えています。