遅ればせながら「ファクトフルネス」

去年から話題となっている本「FACT FULNESS」(日経BP社)を、遅ればせながら読みました。

人がいかに、事実を誤って思い込んでしまうかを書いた本です。

知識を常に最新のものにアップデートすることを心掛けるよう訴えています。

 

誤ってしまう原因として、10項目の人間の本能をあげています。

そのうちの一つ、分断本能。

例えば、「先進国」と「発展途上国」、「欧米」と「その他」に分けてしまうことによる事実誤認。

私が学生時代に、アメリカのベイリーさんのお宅に滞在した時、ベイリーさんには、「日本は遅れているに違いない」という思い込みがあったと思います。

ドライブスルーのATMなど、いろんなところに連れていってもらい、「あなたの国にはないでしょ?」とその都度、ベイリーさんは、自慢していたなあ・・・

ベイリーさんの高校生の娘さんが、「アメリカの車、トヨタはすごいでしょ!」って言うので、「トヨタは日本の会社だ」と言ってみると、声を大きくして「NO!」と怒られました。

 

そして、今、私も同じ思い込みをしていることを自覚しないと。

アメリカに日本の車をバンバン輸出していた時代のイメージから抜け出ていないなって。

 

さて、話しは本に戻ります。

著者のハンス・ロスリング氏はスウェーデン生まれの医師で、公衆衛生の専門家です。

アフリカで医療活動も行い、それまで知られていなかった神経が麻痺する病気「コンゾ」を発見しました。

そのハンス氏は、本の中で、モザンビークでの辛い体験を述べています。

それは、数百人が原因不明で足が麻痺したり、目が見えなくなったりしてる村での出来事です。

感染症を完全に否定できず、村長が「道路を封鎖するか?」と言ってきたときに、ハンス氏はあせりから「そのほうがいいと思います。」と答えたそうです。

後に、感染症ではなかったことが判明しますが、道路封鎖によって村から出られなくなった村民がボートに乗り、そのボートが転覆して命を落としてしまったそうです。

海から引き揚げられた遺体を見たハンス氏は、ショックで35年も誰にもこの話ができなかったそうです。

それも、「あせり本能」に支配されて誤ってしまったこと一つとして本で述べられています。

そのハンス氏は、すい臓がんのため、本の出版を待たずにこの世を去りました。

覚悟を持って書かれた本であっただけに、読み終えた時に、背筋が伸びる思いがしました。