園児にこそ愛語

まていに

松本市の路線バスに乗りました。

松本城のバス停から、可愛い園児さん30人ほどが3人の先生と一緒に乗り込んできました。

私は、園児さんたちが一緒に座れるようにと、最後列の一番奥の席に移動。

私の横にも、先生に促されて4人ほどの可愛い園児さんがちょこんと座り、隣に座った女の子が「すみません」って、きちんと挨拶してくれました。

大人のようなしっかりとした挨拶に驚き!!

そしてバスは走り出し・・・

驚いたことに、30人ほどの園児さんたちが、みんなとっても静かでお行儀がいいのです。

お話しする時も、音にならないくらいの小声でヒソヒソと。

私が「どこの幼稚園?」と尋ねると「本郷幼稚園です!」って教えてくれました。

先生はとっても優しい笑顔で園児さんを見守っていました。

私が降りるバス停に来て、席を立ったところ、「ありがとうございました。」って園児さんが挨拶してくれました。

素晴らしいお行儀の良さと、素敵な挨拶ができる園児さんに、私はなんだかとっても心が温かくなりました。

 

さて、本郷幼稚園のかわいい園児さんに会ったその前の日、偶然にも、幼稚園の先生の大切さを感じる出来事があったんです。

上田情報ビジネス専門学校(ウエジョビ)での私の授業で、ジーンとする感動のスピーチを披露してくれた男子学生のお話しです。

その学生のお題(テーマ)は「座右の銘」でした。

全員の前で彼は次のような内容を語ってくれました。

「“座右の銘”といったものではありませんが、私は“家族を大切に”という言葉をいつも大切に思っています。それは、幼稚園の先生から言われた言葉です。私が幼稚園の時に、父が事故で亡くなりました。母と妹と私、いわゆる母子家庭で育ってきました。私は、幼稚園の先生から言われた“家族を大切に”という言葉をずっと忘れず、今でも大切にしています。」

幼い頃に、先生から言われた言葉をしっかりと心に刻んだ彼。

彼はその言葉を座右の銘のように常に忘れず、家族の唯一の男性として「家族を守ってやるぞ」と懸命に生きてきたのでしょう。

幼稚園の先生は覚えていらっしゃるでしょうか?

お母さまが、このスピーチを聞いたら、泣いちゃうでしょうね。

園児であっても、一人の立派な人間。

幼稚園の先生のかけた言葉が、ここまで素晴らしい影響を与え続けているとは・・・

幼稚園の先生は、幸せな人生の土壌を造る崇高な職業、誇り高い職業だと、つくづく思いました。

 

路線バスのお行儀のいい園児さん、そしてウエジョビの学生のスピーチのことを思うと、小さな子供に、愛語をたくさん語り掛けたいものです。