出だしの音

ヴァイオリン

ヴァイオリン教室

「出だしの音」について習いました。

刃先のようにおっかない音でもなく、逆におどおどした感じでもなく、その中間。

ありきたりな言葉を使うと、強過ぎず弱過ぎず。

先生はイメージが大切とおっしゃっていました。

子どもには、「バイオリンの中から、小さなお顔が出てくる感じで弾こうね」って言っているそうです。

先生の、音をイメージで表現する「わざ言語」が私は大好きです。

 

「出だし」って難しい。

ヴァイオリンで感じた難しさは、朗読でも感じていました。

私の課題でもあります。

「さあ、読むよ~!」って力んで構えると、最初の声が破裂するように出てしまう。

素敵な朗読を聞くと、入りは、さらっと自然で美しい。

私は思わずヴァイオリンの先生に、「朗読の出だしと似てる気がします。」と伝えました。

すると、先生は意識の持ち方を教えてくださいました。

これから奏でるメロディーを想像してから最初の音を弾き始めるのだそうです。

 

人生において、「今・ここ」に集中することが大切。

でも例外があります。

それが「音楽」だそうです。

誰が言っていたのかは忘れてしまいました。

音楽だけは、「今」の音だけに集中すると音楽にならない。

「今の音」は、すぐ「過去の音」となるけれど、それに意識を持っていかないとメロディーにならない。

演奏者は、これから弾く「未来の音」にも意識を持っていく。

それを聴く人が感じるから、美しい。

 

「出だしの音」のレッスンのおかげで、いろいろ思索を深めた夜となりました。