庭の水道のところある水を張ったバケツを見ると
一匹のハチが溺れていました。
仰向けになって足を動かして必死に水から出ようとしますが、羽が濡れて飛び立てない。
近くにあったタワシを入れると、そこにつかまってくれて、
そのタワシを脇の草のところに持っていくと、ハチは一本の草に移ってくれました。

その草は、ツンとした芝が伸びたような草で、そんな頼りにならないような草に必死にしがみついている姿を見たら、かわいそうになってしまいました。
この草がたわまないとは、見た感じよりも、何ときゃしゃな体なんだろう。
羽が乾かないと飛び立てない。
頑張れ!
「負けるな一茶ここにあり」の心境。
必死に生きようとする姿に、この小さなハチから、弾け出る命を感じました。
そこに行った目的は、鉢植えのキンカンに水をやることです。
ジョウロを持ち上げると、ジョウロの中からピョーン!
カエルが出てきて、ジョウロの上にひょっこり
私の手に乗り移ろうと一瞬動きましたが、引っ込んでジョウロの上にしがみついていました。
「これから水をやるんだよ」とカエルに語りかかけても、ジョウロを持ち上げても、水道の蛇口から水を入れても、逃げません。
「それじゃ一緒にキンカンに水やろうね」と、ジョウロを傾けてもそのまま。
可愛くなってしまいました。
それからジョウロを元の場所にもどすと、カエルはピョーンとどこかへ行ってしまいました。
ハチはどうしたかな?
見てみると、飛び立ったようです。
冬を前に命が尽きるかもしれません。
それでも、必死に生きる姿を見せてくれました。
冬を前にした庭
見上げると、ハヤブサらしきシルエットの鳥が「キーヒーヒーヒーヒー」と
カラスがハヤブサを追いかけていました。