外郎売はラップ

伝える

授業で、滑舌練習として、「外郎売」をやっています。

毎回、「速く読まなくていいから、一音一拍のリズムを大切に」と伝えています。

時には手で拍子をつけることもあります。

例えば↓の太字の部分が手拍子のところです。

 

(手拍子)ふな んかん いたけ だめて だんな ばきり うめん どんか どんな しんぼち

 

心の中で「はあ」とか「はい」とか合いの手を入れることもあります。

それを言っちゃうと、学生たちが笑っちゃって、おふざけモードになる心配があるので私の心の中でやってます。

例えば、こんな感じです。太字が手拍子で( )が心の中の合いの手です。

 

らぴい らぴい ざぐる(はい)・・・

あぷぽ(はぁ!)あぷぽ(ぁそりゃ!)りからりから ったっ

 

リズムを感じることができると、ちゃんと声を出すことができるようになります。

リズムって大切だな、と思っていたところ・・・

全く同じ思いを伝えている書籍に出会いました!!!

「変調 日本の古典 講義」です。

ワキ方能楽師の安田登さんが、本の中でこう述べていました。

(外郎売は)声音とリズムが受けたのでしょう。今はただの早口言葉になっていますが、実はあれは早口でやらないほうがオツだといいます。ラップっぽいですよね。

変調 日本の古典 講義より ※( )内は私がつけました

この文章に出会えて、嬉しかったです。

外郎売は、去年の学生もそうでしたが、学習の最後の方になると、身体中から楽しさを表現してくる学生が出てきます。

内田さんがおっしゃる「オツ」の意味合いとは違うとはおもいますが、「外郎売はラップ」って、内田登氏、素敵な表現ですね。