肉声の朗読が消えていく

音訳

きょうの毎日新聞に、「想像の翼広げる肉声の朗読が消えていく 視覚障害者向け音訳ボランティア活動終了」という記事が掲載されていました。

宮崎市の奉仕団体「宮崎点訳朗読奉仕・いづみの会」が高齢化のため、3月末で49年の活動に幕を下ろした、という内容です。

私が所属する音訳ボランティアグループ「やまびこ会」も、ひとごとではありません。

メンバーの多くが、おそらく70歳前後かと思います。

機械もかなり老朽化しています。

 

4日前のことです。

私が音訳ブースで録音したところ、音のレベルの目盛りは適正を示していましたが、音がバリバリに割れてしまいました。

更に、急に音が小さくなったかと思うと、ある所は明瞭な音に戻ったり。

カセットテープが悪いのかと思って、別のものに録音してもダメ。

別のカセットデッキを使ってみてもダメ。

その日は、録音をあきらめて帰宅しました。

 

音声を専門とする親しい人(夫)に尋ねたら、「それは完全にガリだよ!」と。

「ガリ」とは、音声さんの間で使っている言葉で、端的に言えば、劣化しているということらしいです。

「どうすればいいの?」と尋ねると、「取り替えるしかないなあ。」と。

それでも、フェーダーをグイグイと上げ下げしたり、ホコリを取り除けば、騙し騙し使えるかもしれない、とのこと。

きのう、家から、パソコン用のホコリを吹き飛ばすスプレーを持って、再度挑戦。

フェーダーをぐいぐい上げたり下げたりして、空気をシューっと吹きかけるとホコリが飛んで出てきました。

機械の専門家がいるわけでもないボランティア団体ですから、機械の中にホコリがたまっちゃっていたようです。

掃除したのが良かったのかはわかりませんが、何とか、録音できました。

 

名古屋外大などが18年に実施した実態調査では、回答を寄せた音訳ボランティア約1220人のうち約80%が60歳以上で、30歳以下はわずか0.4%との結果が出たという。

 合成音声の読み上げソフトによる自動音声化に対応した図書も徐々に増えているが、今後はボランティアの高齢化の波が音訳図書の供給に影響を与える恐れもある。

毎日新聞 4月7日

時代の流れ、と言ってしまえばそれまでですが、音訳仲間が少なくなるのは寂しいし、何よりも、求めていらっしゃる視覚障がい者がいる限りは「肉声」を絶やしてやいけないと思いました。