「したいことだけしたらええやん」

「これからはしたいことだけしたらええやん」

吉本哲也さんの著書です。

Amazon Kindleで購入し、早速、読みました。

 

他人からの評価に囚われて、時々、本当の自分の声を聴きとれない自分がいる。

そんな私にとって、温かく励ましてくださる本でした。

 

吉本さんと知り合ったのは、今年のことです。

企業向けの「1on1」サービスを提供する組織のトレーニングのセッションでご一緒させていただきました。

吉本さんに話しを聴いていただいた時間が、心地よ過ぎて「お友達」になったのです。

 

大きな企業にいたとはお聴きしていましたが、著書を読んでビックリ!

売り上げ規模7兆円超、従業員数30万人超のパナソニックの経理組織のトップを経験。

吉本さんの上司は、経理担当役員と社長の2人だけ、配下の部下は全世界に7,000人というライン組織の頂点にいらした方でした。

私が、そのような経歴や肩書から損得で友達になるような人間ではなかった自分自身を確認して安堵しました。

「お友達」って嬉しいです。

大企業の中で、成功と幸せのために評価を求めて仕事に没頭してきた会社員が、二度のガン手術の経験の中で、どう自分と向き合い、奥深い気づきを得るに至ったか。

また、健康は取り戻したが、リタイヤ後の展望が見えない彷徨いの果てに、どんな、自分の人生を心地よく生きるための知恵に目覚めていったか。そこに至るまでの体験や気づき、学びを一冊の本にしました。

吉本さんのFBより

本当に、吉本さんは穏やかな口調でお話しを聴いてくださる素敵な方です。

私が接する学生たちの話をすると、嬉しそうに涙を浮かべながら聴いてくださいました。

 

著書には、「死にたい」ほどの思いを抱えていた働いていた若い頃、幼い息子さんの一言に、足が止まった話もありました。

周囲の期待や信頼に応えよう、「ちゃんとしなければ」と頑張る当時の吉本さんの姿に、少なからず、しんどい中、頑張る会社員は共感するはずです。

 

そこから、「したいことだけしたらええやん」に至る心境の変化を読み進めるのですが、心の声に素直に耳を傾けていらっしゃる吉本さんならではの、偉ぶらない、人間味のある描写が素晴らしく、「大丈夫だよ」と読者に寄り添ってくれている吉本さんを感じました。

本を読んで、「だから、あの穏やかな人を包み込む人間性が醸し出されていたのだ」と、わかりました。

人生で一番大切なものを教えてくれる本です。

 

きょう、軽井沢スキーバス事故で業務上過失致死傷罪で起訴された社長ら2人の裁判の初公判が、長野地裁で開かれました。

当時、私は報道デスクでした。

「人生とは」「報道とは」を考えさせられた大きな事故で、思い出すだけでも気分が落ち込みます。

事故後、睡眠もほとんどとれない日々で、デスクに張り付きました。

「NNN系列への責任感」で自分に鞭打つ日々に、異常な手汗が出てきたのを覚えています。

体は悲鳴をあげていたんだと思います。

このバス事故は、吉本さんの著書のタイトルにもある「しないといけないことばかりしてきた」自分と対峙するきっかけともなりました。

その後、私はテレビ信州を退職し、今、本当の自分の声に耳を傾けようと努力しています。

 

吉本さんは癌に「ボーイ」と名付けているそうです。

ボーイ!いい子だね。

だからちゃんと、ねんねしててね。

私から、ボーイに呼び掛けてみました。

きっと、吉本さんの「ボーイ」だから、ちゃんと聞き入れてくれると思います。